RawTherapee トーンマッピングの訂正記事

以前、USM(アンシャープマスク)のしきい値の訂正記事を書いたが、TM(トーンマッピング)に関しても、訂正が必要である。あの時と同じ文句をコピー:「素人が確証もないまま書いた事とは言え、あの説明を鵜呑みにした人がいたら、申し訳ないことである。ゴメンナサイ」。マニュアルの当該説明があまりに簡素なこともあって、内容的にはUSMの時に比べて、“よく分らん”風に書いているので、誰も真に受けなかったと思いたいが、閲覧数が知らない間に200回を超えていた(その参照数が、記事一覧の2ページ目に表示されていたので、見ていなかった)。それだけこの機能に関する興味が高いということなのか。それにしても、勘だけを頼りに随分いい加減な解釈を書いたものである(恥ずかしいので削除しました)。但し、以下の訂正記事も、学んだ知識をもとに書いているけれど、USMの時と同じように、引き続き素人の書いた記事であることをお忘れなく。では、

TMは文字通り、元画像のトーン配分(ダイナミックレンジ)を変えてしまう(所謂、マッピング)機能である。基本的には、画像を大まかな明暗の配分を記した基本レイヤーと、詳細な配分を記した詳細レイヤーに分離し、それぞれ異なる調節を行い、再びそれらを結合するという手法で行う。

詳細レイヤーは元画像と基本レイヤーの違いを記したレイヤーなので、基本レイヤーの質が悪いと、それを元に作る詳細レイヤーの質も悪くなり、結果、質の悪いもの同士の結合画像になり、アーティファクト(ハロやグラデーションリバーサル)が発生する。従来は、大まかな明暗の配分情報を取り込む時に、輪郭部分の信号が歪む(ボケる、或いはシャープ化してしまう)ことが多かったようだ。この問題を軽減するために考えられた方法の一つが、輪郭保持型分解(Edge Preserving Decomposition)で、RawTherapeeはこれを使っている。

輪郭部分の信号が歪み易いのなら、“エッジ(輪郭)停止”(明度の違う部分を輪郭と見なすかどうかの加減)のスライダー値を最小にしてしまえばいいと思ったりもするが、保持される輪郭が少なくなるので、元々明暗がはっきりしている部分しか保持されない。だからスライダーを最小値に下げると(マニュアルにはゼロと書いてあるが0.1が最小)、画像が大きな半径(例えば1.0)を使ったUSMのような感じになるのだろう。しかし、大きな輪郭はそうなるが、ディテールが少なくなるので、全体としては眠い感じになる。かといってエッジ停止を極端に大きく取り過ぎると(もっとディテールを増やそうと思って)、保持されたままの輪郭が多くなり、全体的にはかえって中間的な明るさの部分がボケたような画像になってしまう(参考画像:上はデフォルト設定のTM、下はエッジ停止を最大の4.0に増やした画像で、皿の縞模様などがかえってボケたようになっている)。夕日や朝日が入った画像なら、逆に太陽の周りに、黒い輪郭線が現れたりする。一般的な画像ならば、適度な設定値というのが、デフォルトの1.4なのだろう。後はユーザーの好み次第。
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詳細レイヤーは元画像から基本レイヤーの情報を引き算して作るわけだが、どの空間規模(粗い、細かい、或いはその中間)を扱うかによって効果が変わる。これをスケールスライダー(粗さの尺度)で設定する。低くすれば、より細かい部分でコントラストが反映され、大きくすれば、より大きな部分でコントラストが反映される。つまり、このスライダー調整はコントラストの度合いを上げ下げするのではなく、既に決まったコントラストを(基本レイヤーのダイナミックレンジ圧縮の際に決定されていると思う)、どの部分(細かい部分、それとも大きな部分)で反映させるか加減すものだろう。方法論としては、粗い、中間、細かいという複数の設定をすることで、画像をより細密に仕上げることも出来るようだが、マニュアルにTMはCPU負荷が高いと書いてあるので、恐らくRawTherapeeが扱う空間規模は一つだけで、それを任意に選ぶのだろう。デフォルトの設定は1.0。最大値が10なので、細かい部分でコントラストが反映される割合が多いことになるのだが、“TMはディテールを浮かび上がらせる”とマニュアルに書いてあるので、これが適度なバランスなのだろう。1.0より下げると、細かいところで更にコントラストが反映されるというより、画像全体の印象が少し暗くなるような感じである(より大きな部分でコントラストが反映されなくなってしまうからか)。逆に大きくするとギラついた画像になる。

因みに上記二つの効果の違いは、その部分を100%以上に拡大した詳細画像(或いは、全体を100%以上の表示)で見ないと分らない。

説明順としては後に回ってしまったが、初めの強さのスライダーは、分解された基本レイヤーのダイナミックレンジを圧縮(或いは拡大)する機能だろう。そして、新しいダイナミックレンジに圧縮された基本レイヤーに、引き算で算出された詳細レイヤーが結合されるのだが、TMは輪郭部分が際立って(シャープになり過ぎるため)、画像がマニュアルで言うところの漫画チックになってしまうことがある。このため輪郭部分での効果を拡散させて和らげようとするのが最後のスライダー(再加重反復)である。

最後に蛇足であるが、自分はこの機能のことを、ダイナミックレンジが広すぎる画像のダイナミックレンジを圧縮して、見栄えをよくするためのものと思い込んでいたが、特定の意図を持って調整するなら、逆にレンジを拡大(?)することも有りなのだろう。強さのスライダーをマイナス側にすると、元画像は更に暗くなるが、明度のスライダーで暗くするのとはまた違った味わいになる。何か油絵の様な。。。逆に大きくプラスにすると画像は色鉛筆で描いたような画像になる(本来、どちらも個人的に好きではないが、参考までに)。

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この記事へのコメント

ちゅりぼう
2014年09月16日 05:59
初めまして
マニュアルの翻訳ご苦労様です
詳しい使い方を知りたくてwebを漁っていて,昨日こちらにたどり着きました
大変ありがたく思っております
さてそのマニュアルですが,誰でも書き込みが出来るようになっていませんか?
先頭のページの最初にGという文字を入れてしまいました?
私の勘違い,間違いであればよろしいのですが,もし悪意のある第三者が折角のマニュアルを壊すような事があれば眼も当てられません
お節介かと思いましたがコメント入れさせてもらいました
星垂婁
2014年09月16日 07:32
ちゅりぼうさん、こちらこそ初めまして
お気遣い有難うございます。一応、このGoogle Documentは“閲覧のみ(コメント可)”という設定にしてありますので、書き換えられてしまうことはないと思います。ただ、(コメント可)にしているせいなのか、何か追加されたり、修正・削除されたりすると、“提案”という形で残るようになっているようです(ちゅりぼうさんの“g”も提案という形で連絡が入ってました)。

しかし、他の方がマニュアルを閲覧される際、目障りになるかもしれないので、気が付いた時に、“提案拒否”という操作で消去するので本文は変更されません。

コメント不可にすれば解決するのかもしれませんが、誤訳などの重要な指摘が入る可能性を考えて、とりあえず現状を維持しています。でも、ちゅりぼうさんのようにご心配下さる方がいて、日本語マニュアル作りをしている身として嬉しく思います。
ちゅりぼう
2014年09月26日 22:23
すいません マニュアル少し汚してしまいました
実は今必要箇所に素早く移動するためにibookでリンクをつけてマニュアルを自分用に作り直してるのですが,コピーする時に何か変な事をしてしまうようで...
今も取り消しの線?を入れてしまいました
本当に申し訳ございません
星垂婁
2014年09月27日 16:16
ちゅりぼうさん
ご連絡有難うございます。でも、あまり気になさらないでいいですよ(本文が壊れることはないのですから)。

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